非正規雇用で働く従業員のやる気を引き出し、長く会社に貢献してもらうために、正社員への登用や待遇改善を考える経営者の方は多いのではないでしょうか。
国もこうした取り組みを後押ししており、その代表的な制度が「キャリアアップ助成金」です。
この助成金を活用すれば、人材育成にかかるコスト負担を抑えながら、従業員の満足度向上と企業の成長を目指せます。
しかし、キャリアアップ助成金は申請手続きが複雑で、多くの書類準備や厳格な要件を満たす必要があります。
「自社だけで申請するのは難しそう…」と感じる方も少なくないでしょう。
そこで選択肢となるのが、専門家である社会保険労務士(社労士)への依頼です。
今回は、キャリアアップ助成金の申請を社労士に依頼すべきか、また信頼できる社労士の選び方についてご紹介します。
キャリアアップ助成金は社労士に依頼すべきか?
専門知識で申請の負担を減らし不支給リスクを抑えられる
社労士は、労働法や社会保険、そして助成金制度に関する国家資格を持つ専門家です。
助成金制度は頻繁に改正されますが、社労士は常に最新の情報を把握しているため、自社に最適な助成金の提案や、要件変更への対応が期待できます。
キャリアアップ助成金の申請には、キャリアアップ計画書の作成・提出、就業規則の改定、賃金台帳や出勤簿の整備など、煩雑な書類作成と手続きが伴います。
これらの作業をすべて専門家である社労士に任せることで、担当者は本来の業務に集中でき、社内の負担を大幅に軽減できるでしょう。
さらに重要なのは、不支給のリスクを抑えられる点です。
助成金は要件を満たせば受給できるのが原則ですが、申請手順の誤りや書類の不備で不支給となるケースは後を絶ちません。
助成金申請の経験が豊富な社労士に依頼すれば、こうしたミスを防ぎ、受給の可能性を大きく高めることができます。
着手金や成功報酬が発生するためコストと受給額の確認が必要
専門家である社労士に依頼する場合、当然ながら費用が発生します。
料金体系は社労士事務所によって異なりますが、一般的には申請前に支払う「着手金」と、助成金が支給された場合に支払う「成功報酬」で構成されていることが多いです。
成功報酬の相場は、受給額の10%~20%程度が目安とされています。
そのため、まずは受給できる助成金の額と、社労士に支払う費用を比較検討することが大切です。
助成金は魅力的ですが、賃金アップなど制度導入自体のコストもかかります。
社労士への依頼費用も含めた全体のコストと、得られるメリットを天秤にかけ、慎重に判断しましょう。
顧問契約を結んでいる場合は、助成金申請の費用が割引になることもあるため、事前に確認してみることをおすすめします。
法令違反や書類不備、期限切れなどで不支給になる場合がある
キャリアアップ助成金の審査は年々厳格化しており、意図せず不支給になってしまうケースも少なくありません。
特に注意したいのが、以下のような点です。
・労働関係法令の違反
残業代の未払いや適切な労働時間管理ができていないなど、労働基準法に違反していると助成金は支給されません。
・申請期限切れ
助成金には厳格な申請期限が定められています。
例えば正社員化コースでは、転換後6ヶ月分の賃金を支払った日の翌日から2ヶ月以内に申請が必要です。
この期限を1日でも過ぎると受給できません。
・手順の間違い
キャリアアップ計画書の認定を受ける前に従業員を正社員に転換してしまうなど、定められた手順を守らないと対象外となります。
こうした失敗は、助成金制度への理解が不十分な場合に起こりがちです。
専門家である社労士はこれらの注意点を熟知しているため、リスク管理の面でも頼りになる存在と言えるでしょう。

信頼できる社労士の選び方は?
助成金申請の実績が豊富で自社業界に詳しいか
社労士を選ぶうえで最も重要なポイントは、助成金申請の実績が豊富かどうかです。
過去に多くの申請を手がけてきた社労士は、審査のポイントや注意点を熟知しており、手続きをスムーズに進めるノウハウを持っています。
ホームページなどで過去の実績を確認したり、初回の相談時に具体的な経験を尋ねてみたりすると良いでしょう。
また、もし可能であれば、自社の業界に詳しい社労士を選ぶことも有効です。
業界特有の働き方や課題を理解しているため、より的確な助成金の活用法や労務管理のアドバイスが期待できます。
就業規則の作成など関連業務への対応力
キャリアアップ助成金の申請では、正社員への転換制度などを就業規則に明記することが必須条件です。
この就業規則の作成や変更は、実は社労士の独占業務とされています。
そのため、助成金申請だけでなく、就業規則の整備まで一貫して依頼できる社労士を選ぶと、話がスムーズに進みます。
助成金申請をきっかけに、会社のルール全体を見直す良い機会にもなるでしょう。
企業の労務管理全般に精通し、幅広い視点からサポートしてくれる社労士が理想です。
円滑な連携のため相談しやすく連絡が取りやすいか
どれだけ実績や知識が豊富でも、担当者との相性が悪ければ円滑な連携は望めません。
助成金の申請手続きは、企業の経営方針や従業員の処遇に関わる重要な事柄です。
ささいな疑問でも気軽に質問でき、親身になって相談に乗ってくれるような、信頼関係を築ける社労士を選びましょう。
レスポンスの速さや説明の分かりやすさも大切なポイントです。
初回の無料相談などを活用して、コミュニケーションが取りやすい相手かどうかをしっかり見極めることをおすすめします。

まとめ
キャリアアップ助成金は、従業員の待遇を改善し、企業の成長を後押しする非常に有効な制度です。
しかし、その申請手続きは専門的な知識を要し、手順を一つ間違えるだけで不支給となるリスクもはらんでいます。
専門家である社労士に依頼すれば、煩雑な手続きから解放され、確実な受給を目指すことができます。
諏訪労務管理センターでは、長野県内の中小企業様を中心に、豊富な助成金申請実績がございます。
就業規則の改定から申請代行までワンストップでのサポートが可能です。
また、当センターは会計事務所グループであるため、助成金受給後の税務処理についても、グループ内の税理士と連携してスムーズな対応を実現します。
「自社が対象になるか知りたい」「手続きの手間を省きたい」とお考えの経営者様は、ぜひ一度当センターへご相談ください。
オンラインでの対応も可能ですので、遠方や多忙な方もスムーズにお手続きいただけます。