労働基準監督署に相談できることとは?対応範囲と解決までの流れ | 諏訪労務管理センター

労働基準監督署に相談できることとは?対応範囲と解決までの流れ

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労働基準監督署に相談できることとは?対応範囲と解決までの流れ

職場で「これっておかしいのでは?」と感じることはありませんか。
例えば、サービス残業が当たり前になっていたり、有給休暇の申請を理由なく断られたり。
そんなとき、誰に相談すればよいのかわからず、一人で悩みを抱え込んでしまう方も少なくないでしょう。

労働者の権利を守るための公的な相談窓口として「労働基準監督署(労基署)」がありますが、具体的にどのような問題を扱ってくれるのか、相談したらどうなるのか、不安に思うかもしれません。
今回は、労働基準監督署で対応してもらえる問題の範囲や、相談後の流れについてご紹介します。

労働基準監督署の相談事例からわかる対応可能な問題とは?

残業代未払いや長時間労働など労働基準法違反の相談が可能

労働基準監督署が最も得意とするのが、労働基準法に明確な定めがある問題です。
もしあなたが以下のような状況に置かれているなら、相談を検討する価値は十分にあります。

・賃金や残業代の未払い
「固定残業代が支払われているから、いくら残業しても追加の手当は出ない」と言われたり、そもそも残業代が支払われなかったりするケースは、典型的な相談事例です。

・長時間労働
法律で定められた上限を超える時間外労働(残業)を強いられている場合も、労働基準監督署が対応します。
月80時間を超える残業は過労死ラインともいわれ、心身の健康を損なう前に相談することが重要です。

・休憩時間が取れない、有給休暇を取得させてもらえない
労働時間が6時間を超える場合は45分、8時間を超える場合は1時間の休憩が義務付けられています。
また、年5日の有給休暇取得も会社の義務です。
これらが守られていない場合も相談対象となります。

・安全衛生に関する問題
職場の安全対策が不十分で危険な状態にある、といった労働安全衛生法に関わる問題も相談できます。

パワハラや不当解雇の有効性判断は対象外

一方で、労働者にとって深刻な問題であっても、労働基準監督署が直接介入しにくいケースもあります。
それは、法律違反かどうかを判断するのが難しい、民事的なトラブルの側面が強い問題です。

代表的なのが、パワーハラスメント(パワハラ)やセクシャルハラスメント(セクハラ)です。
現在は法律で企業に防止措置が義務付けられていますが、ハラスメント行為そのものを直接罰する規定が労働基準法にあるわけではないため、労基署が逮捕などの強制捜査を行うことは難しいのが実情です。

また、「不当解雇」についても注意が必要です。
突然解雇を言い渡された場合、労基署が対応できるのは「解雇予告手当が支払われていない」といった手続き上の法律違反に限られます。
その解雇が客観的に見て妥当かどうか、つまり「解雇の有効性」を判断する権限は労基署にはありません。

こうした問題については、「総合労働相談コーナー」で相談に乗ってもらえます。
各都道府県労働局だけでなく、最寄りの労働基準監督署内にも設置されていることが多いため、まずは窓口で確認してみるとよいでしょう。
ここでは、労働問題の専門家が助言や指導、さらには「あっせん」という話し合いによる解決の場を設けてくれることもあります。

タイムカードや給与明細などの証拠を準備するとスムーズ

労働基準監督署に相談する際は、客観的な証拠を準備していくことが非常に重要です。
口頭での説明だけでは、担当者も事実関係を正確に把握しづらく、会社への指導に動きにくくなってしまいます。
相談をスムーズに進めるためにも、以下のような資料を集めておきましょう。

・タイムカードのコピーや勤怠管理システムのスクリーンショット
・給与明細(未払いの残業代などを計算するために必要です)
・雇用契約書や労働条件通知書
・上司からの業務指示がわかるメールやチャットの履歴
・相談内容の経緯を時系列でまとめたメモ

これらの証拠があることで、あなたの主張に説得力が増し、労働基準監督署も具体的な対応を取りやすくなります。

労基署に相談すると会社はどうなるのか?

調査が入り、法違反が確認されれば是正勧告が出される

相談内容に法律違反の疑いがあると判断されると、労働基準監督署は会社に対して調査を行います。
これは「臨検監督」と呼ばれ、監督官が事業所を訪問し、タイムカードや賃金台帳といった書類の確認や、責任者へのヒアリングを実施します。

調査の結果、法律違反の事実が確認されると、会社に対して「是正勧告」が出されます。
これは、「法律違反の状態を改め、正しくしてください」という行政指導です。
是正勧告に法的な強制力はありませんが、社会的な信用に関わるため、ほとんどの企業はこの指導に従います。
もし、悪質であったり、度重なる指導に従わなかったりする場合には、経営者が逮捕され、検察庁に送検されるといった刑事事件に発展する可能性もあります。

匿名相談は可能だが、調査で会社に特定される場合がある

「会社に相談したことがバレて、不利益な扱いを受けないか心配」という方も多いでしょう。
労働基準監督署への相談は、匿名で行うことも可能です。
電話で状況を伝え、アドバイスをもらうだけであれば、身元を明かす必要はありません。

ただし、会社への調査や指導を具体的に求める「申告」を行う場合は、氏名を伝える必要があります。
そして、監督官が会社に調査に入れば、その相談内容から「誰が相談したのか」を会社に推測されてしまう可能性はゼロではありません。

しかし、労働者が労働基準監督署に相談したことを理由に、会社が解雇や減給などの不利益な取り扱いをすることは法律で固く禁じられています。
万が一そのような仕打ちを受けた場合は、それ自体が新たな労働問題となりますので、再び労働基準監督署に相談しましょう。

顧問社労士がいる企業は労務トラブルを未然に防止できる

労使トラブルは、企業と従業員の双方にとって大きな負担となります。
そのため、多くの企業が社会保険労務士(社労士)と顧問契約を結び、トラブルの未然防止に努めています。

社労士は労働法の専門家として、就業規則を適切に整備したり、労働時間の管理方法を見直したりすることで、法律を遵守した健全な職場環境づくりをサポートしています。
「顧問社労士がいる」ということは、その企業がコンプライアンスを重視し、従業員が安心して働ける環境整備に力を入れている証拠ともいえるでしょう。

まとめ

職場の労働問題で悩んだとき、労働基準監督署は法律に基づいて労働者を守ってくれる心強い存在です。
残業代の未払いや違法な長時間労働など、労働基準法違反が疑われる場合は、一人で抱え込まず、客観的な証拠をそろえて相談してみましょう。

また、企業の経営者様・ご担当者様におかれましては、こうした労基署の調査や指導といったリスクを避けるためにも、日頃からの適切な労務管理が不可欠です。
諏訪労務管理センターでは、長野県・諏訪エリアを中心に、就業規則の作成・改訂や労務監査(デューディリジェンス)などを通じて、トラブルの火種を未然に防ぐサポートを行っています。

「自社の管理体制に不安がある」「オンラインで効率よく相談したい」という場合は、ぜひ一度当センターへご相談ください。

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