会社を設立したばかりの時期は、やるべきことが山積みで息つく暇もありません。
事業の立ち上げに奔走する中で、決して忘れてはならないのが社会保険の手続きです。
「まだ従業員がいないから」と後回しにしていると、思わぬ落とし穴にはまるかもしれません。
法人が社会保険に加入する際の「新規適用」には、明確なルールと厳しい期限が設けられています。
この記事では、加入が必要な条件や揃えるべき書類、そして手続きをスムーズに進めるための準備について解説します。
新設法人が社会保険の新規適用を行うべき条件と準備すべき届出書類
法人格を持つ事業所は社長一人でも加入義務がある
社会保険の加入は、法人の規模や従業員数にかかわらず法律で義務付けられています。
株式会社や合同会社など法人格を持っている場合、社長一人だけの会社であっても適用事業所となります。
「自分一人だから関係ない」という自己判断は通用しないため、設立と同時に加入手続きが必要です。
また、従業員を雇う場合、正社員だけでなくパートやアルバイトも条件次第で加入対象となります。
1週間の所定労働時間および1か月の所定労働日数が、常時雇用者の4分の3以上である場合は加入させなければなりません。
加入漏れは遡って保険料を徴収されるリスクがあるため、対象者の範囲を正しく理解しておくことが重要です。
ただし、社長が無報酬である場合など、社会保険に加入すべき従業員が1人もいない場合は新規適用の手続きを行う必要はありません。
事業所の新規適用届と被保険者資格取得届の2種類が基本となる
新規適用の手続きでは、会社自体を登録するための書類と、そこで働く人を登録するための書類の2つが基本セットとなります。
まず会社を登録するために、「健康保険・厚生年金保険 新規適用届」を年金事務所へ提出します。
これと同時に、加入する社長や従業員全員分の「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届」も提出しなければなりません。
被扶養者がいる場合は、さらに「被扶養者(異動)届」の作成も必要になります。
これらはセットで処理されるものなので、片方だけ提出しても手続きは完了しません。
記入項目が多く複雑なため、記載ミスがないよう慎重に作成する必要があります。
登記簿謄本など公的機関から取り寄せる添付書類も必要である
申請用紙だけでなく、記載内容を裏付けるための添付書類も用意しなければなりません。
株式会社や合同会社など法人格を持っている場合は、「法人(商業)登記簿謄本(コピー不可)」が必要となります。個人事業主の場合には、この登記簿謄本は不要ですが、別の書類が必要となるため注意が必要です。
また、事業所の所在地が登記上の住所と異なる場合は、賃貸借契約書のコピーなどで実態を証明する必要があります。
マイナンバーを記載することで住民票の添付は原則不要になりましたが、ケースによっては本人確認書類が求められることもあります。
役所へ行く時間を確保する必要があるため、スケジュールの調整が欠かせません。

新規適用を期限内に済ませ事業開始に集中するための選択肢
事実発生から5日以内という厳しい提出期限を厳守する
社会保険の新規適用手続きにおいて、もっとも注意すべきは提出期限の短さです。
原則として、法人設立や従業員の採用といった事実発生から「5日以内」に届け出る必要があります。
会社設立直後の多忙な時期に、この数日間で書類を揃えて提出するのは非常にハードルが高いといえます。
もし提出が遅れた場合でも手続き自体は可能ですが、保険証の発行が遅れるなど従業員に不利益が生じかねません。
また、加入義務があるにもかかわらず放置していると、罰則の対象になる可能性もあります。
期限を過ぎないよう、設立前から準備を進めておくスピード感が求められます。
申請書作成や役所への訪問時間を削減し本業の時間を確保する
慣れない申請書の作成や必要書類の収集には、想像以上の労力がかかるものです。
書き方を調べたり、年金事務所の窓口で待たされたりする時間は、経営者にとって大きなコストとなります。
本来であれば、営業活動や事業基盤の構築など、売上を作るための業務に集中すべき時期です。
事務作業に時間を奪われて本業が疎かになってしまっては、本末転倒と言わざるを得ません。
利益を生み出さないバックオフィス業務にどれだけのリソースを割くか、冷静な判断が必要です。
限られた時間を有効に使うために、自分で行うべき業務の取捨選択が鍵を握ります。
複雑な手続きは専門家に任せて不備や遅延のリスクを回避する
確実かつ迅速に手続きを完了させるためには、専門家の力を借りるのが最も合理的な選択肢です。
社会保険労務士などのプロに依頼すれば、書類作成から提出までを代行してもらえるため、不備による差し戻しの心配がありません。
法改正などの最新情報にも精通しており、助成金の提案などプラスアルファのアドバイスを受けられることもあります。
コストはかかりますが、それによって得られる時間と安心感は、経営者にとって大きな価値があるはずです。
事業のスタートダッシュを成功させるためにも、アウトソーシングを積極的に検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ
法人の社会保険加入は義務であり、社長一人でも逃れることはできません。
新規適用届と資格取得届の2つを軸に、登記簿謄本などの添付書類を揃えて提出する必要があります。
しかし、事実発生から5日以内という期限は非常に短く、自力での対応は本業への負担となりかねません。
手続きの複雑さや時間のロスを考慮すると、専門家への依頼は賢明な投資といえるでしょう。
煩雑な事務作業はプロに任せ、経営者は事業の成長に全力を注いでください。
もし、手続きの煩雑さにお悩みであれば、社会保険労務士法人 諏訪労務管理センターへご相談ください。
当社では、チャットツールやクラウドシステムを活用したデジタル完結の手続きに対応しており、忙しい経営者様の手を煩わせることなく、スピーディーな申請が可能です。
書類のやり取りや訪問の手間を最小限に抑え、事業立ち上げの大切な時間を守ります。
まずは無料相談から、お気軽にお問い合わせください。