経営者の怪我は自己責任?事業主を守る労災保険の特別加入制度とは | 諏訪労務管理センター

経営者の怪我は自己責任?事業主を守る労災保険の特別加入制度とは

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経営者の怪我は自己責任?事業主を守る労災保険の特別加入制度とは

経営者や個人事業主として働いていると、自分自身の怪我への備えをつい後回しにしてしまうことがあります。
従業員のための保険手続きは完璧でも、自身の保障が手薄では事業継続のリスクになりかねません。
実は、一定の条件を満たせば、事業主であっても国の制度で守られる方法が存在します。
しかし、その仕組みや手続き方法は意外と知られていないのが実情です。
この記事では、事業主が労災保険の適用を受けられる制度について解説します。
万が一の事態に備えて、正しい知識を身につけておきましょう。

事業主も労災保険に加入できる「特別加入制度」の仕組みとメリット

原則加入できない事業主を保護する特別加入という特例

本来、労災保険は「労働者」を保護するための制度です。
そのため、労働者を雇用する立場である事業主は、原則として加入することができません。
しかし、小規模な事業所などでは、事業主も従業員と同じように現場で作業をするケースが多々あります。
そのような実態に合わせて、特別に加入を認めるのが「特別加入制度」です。
この制度を利用すれば、事業主であっても労働者に準じた保護を受けることが可能になります。

中小事業主や一人親方などが加入対象となる

特別加入制度の対象となるのは、主に中小事業主とその家族従事者、法人の役員などです。
また、建設業などで働く一人親方や、特定の作業に従事する人も対象に含まれます。
中小事業主の場合、業種によって常時使用する労働者数に制限があるため確認が必要です。
例えば、金融業や保険業、不動産業、小売業では50人以下、卸売業やサービス業では100人以下といった基準があります。
ご自身の事業形態が加入要件を満たしているか、まずはチェックしてみることが大切です。

業務中や通勤中のケガに対して治療費や休業補償が給付される

この制度に加入する最大のメリットは、業務災害や通勤災害に対する手厚い補償です。
仕事中に怪我をした場合、治療費が全額補償される「療養補償給付」を受けることができます。
また、怪我の療養のために休業している場合には、「休業補償給付」も支給されます。
さらに、障害が残ってしまった場合や、万が一死亡してしまった場合の給付も用意されています。
民間の保険だけでなく、国の制度で基礎的な部分をカバーできるのは大きな安心材料です。

元請会社からの信頼獲得や現場入場の要件クリアにつながる

特別加入は、自身の補償のためだけでなく、対外的な信用の面でも重要です。
特に建設業界などでは、下請けの事業主が現場へ入場する条件として特別加入していることの証明が求められることが少なくありません。
元請会社からすると、未加入の事業主への発注はリスク管理の観点から避けたいと考えるのが自然だからです。
特別加入をしておくことで、仕事の受注機会を逃さずに済みます。
安全に対する意識が高い事業者であるという証明にもなり、取引先からの信頼獲得につながるでしょう。

労災保険の特別加入を行う手順と労働保険事務組合への委託

特別加入は労働保険事務組合を通じた手続きが必須である

特別加入制度を利用する際に注意しなければならないのが、その申請方法です。
事業主が個人的に労働基準監督署へ出向いても、直接加入の手続きをすることはできません。
必ず「労働保険事務組合」という認可を受けた団体に、労働保険の委託する必要があります。
これは法律で定められたルールであり、一人親方や個人事業主が加入する場合は、特別加入団体を通じて申請を行います。
中小事業主の方は、まずは事務組合を探すことから始めましょう。

給付基礎日額の選択によって保険料と補償額が決定する

特別加入の保険料は、一律ではなく希望する補償額に応じて決まります。
「給付基礎日額」という金額を、あらかじめ決められた範囲内から自分で選択する仕組みです。
この日額を高く設定すれば、万が一の際に受け取れる給付金は増えますが、その分毎年の保険料も高くなります。
逆に日額を低くすれば保険料は抑えられますが、十分な補償が得られない可能性もあります。
ご自身の所得状況や必要な保障レベルを考慮して、慎重に選択することが重要です。

事務組合への入会金や手数料等の費用を確認する

労働保険事務組合に委託をする際は、労災保険料とは別に、組合へ支払う費用が発生します。
一般的には、入会金や年会費、事務手数料などがかかります。
これらの費用設定は組合によって異なり、独自に定めているケースがほとんどです。
トータルのコストを把握するために、事前に見積もりを取ったり、料金体系を確認したりすることをおすすめします。
長く付き合うことになるため、費用面での納得感も選定のポイントになります。

社会保険の手続きや労務相談も行いたい場合は社会保険労務士が関与する組合を選ぶ

事務組合選びで迷ったときは、社会保険労務士が運営または関与している組合を選ぶと安心です。
労災の手続きだけでなく、社会保険の手続きや労務相談も一貫して行うことができます。
社会保険労務士がバックアップしている組合であれば、正確かつ迅速な対応が期待できます。
また、労災以外の労働問題や助成金などについても相談しやすい環境が整っていることが多いです。
困ったときに頼れる専門家がいるかどうかは、組合選びの大きな決め手となるでしょう。

まとめ

事業主であっても、特別加入制度を活用することで、国の労災保険による手厚い保護を受けられます。
万が一の怪我への備えはもちろん、取引先からの信頼を得るためにも、加入を検討する価値は大いにあります。
ただし、加入には労働保険事務組合への委託が不可欠であり、適切な給付基礎日額の設定も必要です。
費用やサポート体制を比較して、信頼できる事務組合をパートナーに選びましょう。
安心できる環境を整えて、事業の発展に全力を注いでください。

記事でもお伝えした通り、特別加入には「労働保険事務組合」への委託が必須となりますが、どこに頼めばよいか迷われる方も多いのではないでしょうか。
社会保険労務士法人 諏訪労務管理センターは、厚生労働大臣の認可を受けた「労働保険事務組合」を併設しております。そのため、外部の団体を探す手間なく、社労士のサポートを受けながらワンストップでスムーズに加入手続きが可能です。 「自分の会社は加入条件を満たしているか?」「保険料はいくらになるか?」など、まずは試算やご相談からお気軽にお問い合わせください。

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