労働保険事務組合とは?事業主の労災加入と保険料分割納付の仕組み | 諏訪労務管理センター

労働保険事務組合とは?事業主の労災加入と保険料分割納付の仕組み

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労働保険事務組合とは?事業主の労災加入と保険料分割納付の仕組み

従業員を雇用すると、必ず発生するのが労働保険の手続きです。
年に一度の年度更新や、従業員の入退社のたびに行う手続きなど、その内容は多岐にわたります。
本業で忙しい中、これらの複雑な事務作業に頭を悩ませている事業主の方も多いのではないでしょうか。
そんなときに頼りになるのが「労働保険事務組合」という制度です。
この制度を活用することで、事業主の負担を大きく軽減できる可能性があります。
今回は、労働保険事務組合とはどのようなものか、そして委託することでどのようなメリットがあるのかについてご紹介します。

労働保険事務組合とは何か

中小事業主の労働保険事務を代行する団体

労働保険事務組合とは、簡単に言うと、中小企業の事業主に代わって労働保険に関する事務手続きを代行してくれる団体のことです。
労働保険とは、「労災保険」と「雇用保険」をまとめた総称で、従業員を一人でも雇用する事業主は加入が義務付けられています。

この労働保険事務組合は、ただの代行業者ではなく、厚生労働大臣から正式に認可を受けて活動しています。
全国の商工会議所や各種業界団体などが母体となって運営されているケースが多く、中小事業主の事業運営をサポートする、いわば「公的なお助け役」のような存在と考えると分かりやすいでしょう。
事業主は、この組合に事務処理を委託することで、専門的で煩雑な手続きから解放されるのです。

委託できる業務は保険料申告や各種届出

労働保険事務組合に委託できる業務は、労働保険に関する手続きの大部分をカバーしています。
具体的には、以下のような事務処理を任せることができます。

・概算保険料・確定保険料の申告と納付(年度更新)
・保険関係成立届の提出(会社設立時や初めて従業員を雇った際の手続き)
・雇用保険の事業所設置届の提出
・従業員の入社・退社に伴う雇用保険被保険者資格の取得・喪失手続き
・事業主や役員が労災保険に特別加入するための申請手続き
・その他、労働保険に関する各種申請や届出、報告

これらの手続きをすべて事業主に代わって行ってくれるため、書類の作成や行政窓口への提出といった手間を大幅に省くことが可能です。
ただし、労災保険や雇用保険の保険給付(休業補償や雇用保険の基本手当など)に関する請求手続きは委託業務の範囲外となるため、その点は注意が必要です。

委託には従業員数の条件がある

労働保険事務組合は、中小事業主を支援するための制度であるため、委託できる事業主には常時使用する従業員数の上限が定められています。
自社が対象となるかどうかは、以下の基準で確認できます。

・金融業、保険業、不動産業、小売業
従業員50人以下
・卸売業、サービス業
従業員100人以下
・その他の業種(建設業、製造業など)
従業員300人以下

この条件を満たす事業主であれば、労働保険事務組合に事務処理を委託することが可能です。

委託するとどんなメリットがあるか

事務手続きの負担が軽減される

労働保険事務組合に委託する最大のメリットは、何といっても事務手続きの負担が劇的に軽減されることです。
労働保険料の計算は複雑で、法改正も頻繁に行われるため、正確に処理するには専門的な知識が求められます。
特に年に一度の年度更新は、多くの事業主にとって大きな負担となっています。

事務組合に委託すれば、こうした複雑な計算や申告書の作成、行政機関への提出まで、すべてを代行してもらえます。
これにより、事務作業にかけていた時間と労力を削減し、経営者は本来の事業活動に集中できるようになります。
法改正があった場合も組合が適切に対応してくれるため、常に最新の情報を追いかける必要がなくなり、安心して本業に専念できる環境が手に入ります。

事業主も労災保険に特別加入できる

通常、事業主や法人の役員、また事業主と生計を同じくする家族従業員は、労働者ではないため労災保険の対象外です。
つまり、業務中に万が一ケガをしても、労災保険からの補償を受けることができません。

しかし、労働保険事務組合に事務を委託すると、「特別加入制度」を利用して、労働者としての業務を行っている際にケガをしてしまった際には労災保険から補償を受けることができます。
これは非常に大きなメリットです。
現場で従業員と一緒に働くことが多い中小企業の事業主にとって、業務上のリスクは従業員と変わりません。
この制度を利用すれば、もしもの時に治療費や休業中の生活費などの給付が受けられるため、安心して事業に取り組むことができます。
ただし、事業主としての業務で起きたケガは対象にならないので注意が必要です。

労働保険料を年3回に分割納付できる

労働保険料は、原則として年に1回、一括で納付する必要があります。
ただし、概算保険料が40万円以上(労災保険か雇用保険のどちらか一方のみの場合は20万円以上)の場合は、年3回の分割納付(延納)が認められています。

労働保険事務組合に委託している場合は、この保険料の金額にかかわらず、無条件で年3回の分割納付が可能になります。
中小企業にとって、一度にまとまった資金が動くのは資金繰りの上で大きな負担となり得ます。
分割納付が可能になることで、一度の支出を抑えられ、キャッシュフローの安定につながります。
これは、経営の安定化という観点からも見逃せないメリットと言えるでしょう。

まとめ

労働保険事務組合は、厚生労働大臣の認可を受け、中小事業主の労働保険に関する事務手続きを代行してくれる頼もしいパートナーです。
この制度を利用することで、「事務負担の軽減」「事業主や役員の労災保険への特別加入」「労働保険料の分割納付」といった、事業運営において非常に大きなメリットを得ることができます。
日々の煩雑な手続きに追われている方や、ご自身の万が一の備えに不安を感じている事業主の方は、労働保険事務組合への委託を検討してみてはいかがでしょうか。

もし、労務の手続きや、従業員の労働保険手続きなどでお困りのことがあれば、諏訪労務管理センターまでお気軽にご相談ください。

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